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Cauchemar

目覚めた小鳥は いつものように歌わなかった 鳴くことすら出来なかった 死と殺戮と渦巻く憎悪 凄惨な非現実に 頭も心もがんじがらめにされていた 恐怖の寸劇を一方的に見せつけられ 一度も目を逸らせず 一言も発することが出来ず すでに目を閉じているのに 再び閉じることを許されない 脈絡のない断続的な死の連鎖混在する赤と黒 涙と汗は恐怖に吸い取られ渇いた声は空に吸い取られる 小鳥は視点の合わない虚ろな眼で ただ一...

16, 2011   0
Category  ★Poem

Ronde

月の弧にコウモリが飛ぶ夕闇を纏い夜を誘う者僕は片時も目を離せずにいた廻る 廻る濃紺に溶け込む翼を追って廻る 廻る満月が輝く重ねられた濃淡が芸術的な墨絵を描く時僕はふと足を止める黒く飛ぶ者は白く跳ぶ者に変化し夜の到来を告げた廻る 廻るモノクロのグラデーション廻る 廻る僕の瞳...

16, 2011   0
Category  ★Poem

Voiceless Song

静寂の海に私は沈む瞳に映るは暗き夢波のうねりに弄ばれて儚き肢体は泡と化す水底に想いは沈むクルクルと弧を描きながら様々なものを捨て私は小さな貝と化す何も見えない(何も見たくない)何も聞こえない(何も聞きたくない)感じるままに ただ闇の中で歌いたい無音のメロディに乗せて愛しき人に想いよ届け...

04, 2010   0
Category  ★Poem

Shells' Dream

水底に静かに眠る貝の夢それは遠い太古の記憶揺らめく波にその身を任せ泡沫に思いを馳せるゆらり揺られて貝の夢それは生命の始まり耳を澄ませば ほら胎動が聞こえてくる生まれるよ生まれたよ夢の間に ひとつの命産声に震える体さあ 今一度安らかな夢に命を託そう貝の夢それは誕生の祈り...

25, 2009   0
Category  ★Poem

Captive Bird

毎日毎日最早飛ぶことを忘れてしまった羽を見つめては自分の運命を呪いながら籠の中で泣く…一人ぼっちの寂しさに慣れすぎてもう誰かを何かを愛しく思うことさえ出来ない生と死が去来し永遠の刻(とき)が流れる…美しい姿を留めたまま決して覚めない夢の中で飛び続けたい僕に残されたのは幻想の世界だけほら、目を閉じれば皆が僕の側へ寄ってくる今日は何して遊ぶ?今日はどこへ行く?今日は…知らないわからないねえ、どんな遊びが...

07, 2009   0
Category  ★Poem

Waver

空を飛び続けるのはいかに大変かということを僕は今更のように知った目下に広がる大海原恐ろしいほど真っ直ぐな水平線は想像以上に僕を落胆させた僕の翼はもうボロボロだった平行を保っていた僕の身体はいつの間にか様々に角度を変えながら水平線と交わっているこの海を越えた先には楽園がある渡り鳥たちは言っていた北と南を往復する旅の熟練者たち定期的なその旅を僕はつまらないと思っていたしかし若さを過信して何も考えずに飛...

31, 2007   0
Category  ★Poem

sin

ある朝 僕は捕らえられた静寂な空に 少女の笑い声が響き渡る「あなたはもう、私のものよ!」僕は何か罪を犯したのだろうか?目の前にあるのは牢獄もがけばもがくほど少女の桜色の爪が僕の身体に食い込んでいく傷だらけになることを厭わなかったら逃げられたのかもしれないでも 僕は怖かった痛みに耐えることが出来なかった抵抗を諦め 自ら自由を奪われる臆病な僕を笑うがいい扉に鍵がかけられるさようなら、自由な僕…少女はず...

03, 2007   0
Category  ★Poem

Condolences

なぜあなたは逝ってしまうの?遠い過去あなたは僕を本当の孫のように可愛がってくれたそれなのに…僕はあなたに何一つ返せなかった人はやがて死ぬそれは変えることの出来ぬ運命―わかっていたはずなのに目を背けていた真実あなたの透き通るような白い面(おもて)を見るのが怖い全ての憂いが去った白い骨を拾うのが怖いもう二度と生きたあなたに会えないのだと僕を癒してくれた明るさと温かさにもう触れることが出来ないのだと確信せ...

27, 2006   0
Category  ★Poem